居抜き物件の減価償却の考え方とは
居抜き物件を購入した場合、多額の費用が発生します。
この多額の費用を使う年数に応じて分割して会計処理をするのが減価償却です。
居抜き物件の場合、減価償却はどう考えたら良いのでしょうか。
ここでは居抜き物件の減価償却の考え方についてご紹介します。
減価償却の計算方法
減価償却には2つ計算方法があります。定額法と定率法です。
どちらの計算方法を使っても、最終的に支払う減価償却費や費用計上する期間(耐用年数)は同じになります。
計算式は次の通りです。
・定額法減価償却費=取得価額×償却率
・定率法減価償却費=(取得価額-償却累計額)×償却率
定額法では毎年同じ額を費用計上します。
これに対し、定率法では初期の費用計上額が一番大きく、経年的に費用計上額が減少する方法です。
居抜き物件における資産取得日と耐用年数の考え方
前述した計算式で分かるように、減価償却を計算するには償却率が必要です。
償却率は耐用年数によって税法で決められており、耐用年数の長さも資産ごとに国税局によって決められています。
では居抜き物件の場合、耐用年数はどう考えたら良いのかと言うと、店舗をオープンした日を資産取得日と考えます。
そこから元々の耐用年数から経過した年数を差し引き、経過年数に0.2をかけた値と合算して耐用年数を計算します。
居抜き物件で冷蔵庫を取得した場合を例にして考えてみましょう。
冷蔵庫の本来の耐用年数は6年です。
前の店舗で冷蔵庫を購入した後、4年経ってから自分が取得したとします。
まず、耐用年数から経過年数を引きます。6-4=2ですね。
次に経過年数に0.2をかけます。4×0.2=0.8ですね。
耐用年数は2+0.8=2.8年となります。
1年未満の端数は切り捨てるので、この場合の耐用年数は2年となります。
このように居抜き物件は既存の設備として計算していきますが、
様々な注意点があるので耐用年数計算時には注意事項にあてはまらないかよく確認してください。
居抜き物件の減価償却の注意点
減価償却を考える時には耐用年数が必要となりますが、この耐用年数は資産ごとに年数が定められています。
居抜き物件を購入する場合、様々な設備を一括で購入することとなりますが、設備の詳細が分かる書類がない場合は、その設備の中で最も長い耐用年数を全ての物に適応することになります。
そうなると購入費用を経費にするのに時間がかかる上、税金面で不都合が生じることがあります。
それを回避するために、造作譲渡契約を結ぶ際に資産の種類や取得年度、金額が分かる譲渡目録をつけてもらいましょう。
譲渡目録があれば設備の内容を科目に振り分けることができ、耐用年数も資産ごとに計上することができます。
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