飲食店開業前に知っておきたい損益分岐点の考え方
雰囲気も良く、料理やドリンクも人気、連日大盛況なお店であったとしても、利益をあげられなければ経営は成り立ちません。そこで重要となるのが、損益分岐点の考え方です。
「損益分岐点」なんて、普段はなかなか聞きなれない言葉ですので、ここでは、飲食店開業前に知っておきたい損益分岐点の考え方をご紹介しましょう。
損益分岐点とは?
損益分岐点とは、支出入のバランスを計る上で重要なもので、売上高のグラフと、仕入れや家賃などの費用グラフとが交わる点のことです。
これは、売上高と費用が同じになることを意味しますので、利益も損失もない状態です。
売上高がこの点を上回れば利益が出たことになりますが、下回れば損失が出たことになります。
この点によって、どれだけ売上をあげれば利益を得られるのかを知ることができるのです。
飲食店における損益分分岐点の計算方法
損益分岐点は、以下の計算式によって算出することができます。
損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)
ここで出てくる固定費とは、家賃や人件費など、売上高に関係なく必ずかかる費用のことです。
固定費に対する言葉で、変動費用というものがありますが、これは、食材の仕入れ費用やおしぼりや割り箸などの消耗品、水道光熱費など、
売上高に比例して増えたり減ったりする費用です。
変動費率は、この変動費を売上高で割った値になります。
言葉だけではわかりにくいので、例を上げてみます。
例えば、固定費が1ヶ月100万円で変動費率が80%の場合は、100万円÷(1-0.8)=80万円となります。
これにより、損益分岐点は80万円であることがわかるのです。
つまり、80万円を超えれば黒字で、下回れば赤字となります。
損益分岐率は低い方が良いのか?高い方が良いのか?
これまでのことから、損益分岐点が高ければ高いほど、売上高も高くなければならないことがわかったと思います。
反対に、低ければ低いほど、それだけ売上高が低くても、利益を上げることができるのです。
つまりは、損益分岐率が低い方が、利益を上げやすくなります。
飲食店を開業するには、様々な準備が必要で大変だとは思いますが、こうした損益分岐点の考え方も、とても重要です。
家賃や人件費、メニュー構成、値段設定など、売り上げや費用に関わることを考えるときには、損益分岐点を意識して考えることが大切です。