居抜き物件で起こり得るトラブルについて

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飲食店開業「物件の選び方」イニシャルコストを押さえることができたり早く開業できるなど、居抜き物件のメリットは多数あります。
しかし、居抜き物件はスケルトンからの開業と比べると特有のトラブルが起こりやすいのも事実です。
ここでは居抜き物件で起こり得るトラブルについて、事例を挙げて紹介したいと思います。

次の買い主が居抜き物件購入を突然中断

まずは居抜き物件を売却する際に起こり得るトラブルについて紹介します。

居酒屋を経営していた人が、次の買い主に物件を居抜きで引き継ぐ話を進めていました。
物件のオーナーにも自分が退去する旨を伝え、居抜きの売却の話を進めていたところ買い主が突然居抜き物件購入を突然キャンセルしてきました。

買い主との交渉時に物件購入時のキャンセルについて規定を定めておらず、他の買い主を探したのですが解約期間前に見つかりませんでした。
結局居酒屋の内装をスケルトンに戻して退去することとなり、物件のオーナーからは解約前予告家賃と原状回復を請求され多額の費用が必要になりました。

売却前に情報が漏れた

テナントでカフェを経営していた人が、お店の売上もあまり良くないので居抜き物件の売却を考えていました。
物件情報を公開するためにカフェの写真を撮ったり、居抜き担当の不動産の人に来てもらって詳細な打ち合わせをしていました。
まだ買い手がいないため、物件オーナーにも解約の話はしておらず営業もしばらく続けるつもりでした。

ところが居抜き売却の準備をしていることがスタッフに漏れてしまいました。
この店は長くないから次の就職先を早く見つけたいと言われ、スタッフがみんな退職してしまいました。

そのため店の営業を続けられなくなり、売却できないまま賃貸契約を解除せざるをえませんでした。

譲渡品にリース物品が含まれていた

ある人が居抜き物件を契約し、新しくイタリアン料理店として店舗をスタートさせました。
ところが、契約後に店舗にリース会社から書類が届きました。

書類の内容は、現在使っている厨房機器にリース品が含まれており、そのリース費用の一括返済を請求するものでした。
厨房機器にリース品がある話は初耳であり、保証付きとはいえ高額なリース契約がなされていました。

リース契約をどうするかについて前の持ち主とリース会社と交渉することになり、
開店直後の忙しく資金繰りが大変な時期に、時間と手間とお金をとられることになってしまいました。

譲渡された設備がすぐ故障

居抜き物件の契約をした人が、新しくエスプレッソ専門コーヒー店をオープンしました。
ところがオープンから数日後、居抜き契約時に譲渡されたエスプレッソマシンが故障してしまいました。

このマシンは前の店舗の持ち主が購入した高価なマシンであり、譲渡の際にはそれなりの金額を払って譲渡してもらいました。
海外製のものでメンテナンスや保証は付いていません。
前の借り主に問い合わせたところ、譲渡前に一緒に動作確認したときは使えていたのでこちらの責任ではないと言ってきました。

譲渡契約書を見ると瑕疵担保責任は追わないと記載されていたので前の借り主に賠償請求もできません。
早くマシンを購入しないとお店を開けることができないため、泣く泣く新しいマシンを別途購入しました。

原状回復の認識の違い

居抜き物件でスナックを始めた人が、順調にお客様が来てくれるようになったのでもっと広いところに移転を決めました。
もともと別の人がやっているスナックの内装をそのまま引き継いだので、退去時には経年劣化したところを回復すれば良いと思っていました。

ところが家主から、内装が何もないスケルトンにしてから退去するように言われました。
確認してみると賃貸契約書にもそのように記載があったので交渉しても対応してもらえませんでした。

結局他の人が行った内装を全部取り除く工事をすることになり、原状回復工事に数百万費用がかかってしまいました。

居抜き物件では、契約時と退去時どちらにもトラブルが起こりえます。
トラブルが起きて後悔しないためにも、物件のオーナーや前の借り主との話し合いはしっかり行いましょう。


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